バーバルコミュニケーション(Verbal communication)とは、言語を使っておこなうコミュニケーションのことです。
ノンバーバルコミュニケーション(Nonverbal communication)の、非言語のコミュニケーションと違い、手紙やメールなど、対面以外のコミュニケーションが含まれる点がバーバルコミュニケーションの特徴です。
コミュニケーションというと、言語による他者との意思疎通をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
しかし実際には、人は言語情報だけでなく、非言語情報からも相手から大きな影響を受けていることがわかっています。
ノンバーバルコミュニケーションの具体例は下記になります。
①声(高さ、速度、アクセント、間の置き方など)
②動作(表情、視線、ジェスチャー、姿勢など)
③見た目(服装、髪型、化粧、持ち物など)
④物理的環境(家具、照明、温度など)
他者とのコミュニケーションの中で、言語情報以外にも視覚や聴覚などといった五感を活用しながら情報受信をしており、人間はそれらの情報をもとに様々な印象を受けます。
例えば他者とコミュニケーションをしている中で、相手がいつもより目を合わせてくれない時、あなたはどう思うでしょうか。
「退屈そう」「懐疑的」「非同意的」といった印象を持つと思います。
また、相手がいつもより声のトーンが低い時、「自信がなさそう」「疲れていそう」といった印象を持つと思います。
このように、人間は非言語情報をもとに判断することが多いので、物事を円滑に進めたり、信頼関係を構築するためには、ノンバーバルコミュニケーションも鍛えいていくことが重要なのです。
メラビアンの法則について
ノンバーバルコミュニケーションの重要性を理解するために、『メラビアンの法則』をご紹介します。
『メラビアンの法則』とは、1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが発表した法則です。
この法則は、人間が他者とコミュニケーションをする際、相手から受け取る全ての情報を100%と仮定した場合、相手の発せられる言語情報は全体のわずか7%であり、残りの93%はノンバーバルである非言語情報(聴覚・視覚情報)になるということです。
人間がいかに非言語情報から影響を受けているかがわかります。
参考までに、『7-38-55ルール』についてもご紹介します。
こちらは『メラビアンの法則』の別名であり、人間は他者とのコミュニケーションの中で、下記の割合で影響を受けているとされております。
言語情報:7%(話の内容)
聴覚情報:38%(声の高さ、速度、アクセント、間の置き方など)
視覚情報:55%(表情、視線、ジェスチャー、姿勢など)
このような学術的背景からも、ノンバーバルコミュニケーションの重要性がわかります。
『メラビアンの法則』に基づき、ノンバーバルコミュニケーションスキルを高めていくことで、自分が伝えたい内容を、何倍にも魅力的に伝えることができます。
ただし、『メラビアンの法則』は「非言語コミュニケーションが一番大切である」と結論付けているわけではありません。
『メラビアンの法則』は言語・視覚・聴覚において、特殊な環境下でどの情報が優先されるかを実験してわかった結果に過ぎません。
そのため、全てのコミュニケーションシーンにおいて、この割合が当てはまるというわけではないことを正しく認識することが重要です。
子育てにおいては、非言語コミュニケーションと同時に、当然言語コミュニケーションを鍛えていくことも重要です。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性
ノンバーバルコミュニケーションの重要性は、第一に言葉を補完できることでしょう。
コミュニケーションを図るときに表情や仕草を駆使することで、言葉だけでは伝わらない感情やニュアンスを伝えることができます。
また、ノンバーバルコミュニケーションは、相手に安心感をもたらす効果が期待できます。
ただ言葉だけを交わすのではなく、相手の言葉に対して笑顔や頷きを返すことで、相手はリラックスした状態で話せるようになります。
その結果、信頼関係の構築がスムーズになると言われています。
また、相手の状況を理解するうえでもノンバーバルコミュニケーションが役に立ちます。
たとえば、体調が悪い人は表情や声のトーンが無意識に変化しているものです。
このような変化から、相手が言葉に発していないことも読み取ることができます。
次回は、子育てにおけるノンバーバルコミュニケーションの重要性について書きます。
次回へ続きます。