赤ちゃんのいる暮らしになると、大してよく知らない近所の方や見ず知らずの人からも声を掛けられるようになります。
「かわいい赤ちゃんですね。何ヶ月ですか?男の子?女の子?今が一番良い時ですね。でも大変でしょう?風邪ひかせないでね。」などなど。
意外にも多くの人が気に留めてくださり、褒めてくださったり、ねぎらいや応援の言葉を掛けてくださったりします。
とても温かくありがたいものです。
でも、たまにモヤっとする言葉もありませんか?
今回のテーマである「風邪をひかせないでね。」です。
この言葉を掛けられた場合、どんな風に受け取っていますか?
さらっと受け流せますか?
それとも、絶対に風邪なんてひかせられない!と緊張しピリピリしてしまいますか?
当時の私は、気遣ってくださることに感謝しつつも、それが度重なると心中では、「んー、、、わざと風邪をひかせようなんて思っていませんが…。」と、モヤっとしてしまいました。
同じように過敏に反応してしまうママもいらっしゃるのではないでしょうか。
個人差はありますが、子どもはとにかく風邪をひきます。
すぐに鼻が詰まったり、咳込んだり、熱が出たり、吐いたりと、きりが無いように思える時もあります。
でも免疫を獲得している過程なので仕方ありません。
どんなに気を付けていても、ひいてしまう時はひいてしまうものなのです。
そんな時は、「『風邪をひかせないでね』なんて言われても困る、私だって風邪をひいてほしくないし、わざとひかせることなんてしないのに…。」と腹立たしく思ってしまうかもしれません。
結論を言えば、その反応で良いのです。
真正面に受け止めてしまうのは危険です。
真に受けて絶対風邪をひかせてはならないと思ってしまうと、子どもが風邪をひいた時に『私のせいだ!』と思ってしまうからです。
それは前述した通り、現実的ではありません。
子どもの風邪は余程の手抜かりが無い限り、親のせいではなく自然なことなのです。
また、この声掛けは『時候の挨拶』と同じくらい定型文な温かい気遣いを表す挨拶の言葉であるとも言えます。
そのように声を掛けてくださる方は、純粋に子どもの健やかさが続くようにと願っているだけなのです。
もしかしたら、乳幼児の生存率が低かった昭和の初めやそれ以前から続く、幼い子どもを持つ母親に掛ける常套句だったかもしれません。
それが連綿と続いているのかもしれないと思うと、時代を超える温かさを感じます。
あまり周りの方の言葉を気に留め過ぎず、気遣いある挨拶代わりの言葉として受け止め、声を掛けてくださる方の温かさに感謝できる余裕を持てますように。