赤ちゃんは産まれて初めて飲む母乳の飲み方を意外にもよく知っています。
産まれてすぐの行動として本能に組み込まれているからです。
実は知らないのはママの方です。
赤ちゃんは柔らかで守るべき力のない存在のように見えますが、結構タフです。
母乳もガツガツ飲みにきます。
その慌てぶりとママの遠慮がちなあげ方で双方が噛み合わなくなり、飲めない、飲まない、という事態に陥り易いのです。
ここは、お互いガツっといきましょう!
授乳クッションをママのお腹に置き、赤ちゃんを載せ、片腕で巻き込むように赤ちゃんを胸に引き寄せ、その肘の内側で赤ちゃんの後頭部をしっかり支えます。
そして、乳首を乳輪の外側から絞るような手先で掴み、赤ちゃんの口に乳輪全部を押し込みます。
すると、赤ちゃんは舌の両サイドを巻き上げるようにして乳首を巻き込み、赤ちゃんにしか出来ない舌の蠕動運動のような動きで母乳を吸い上げていきます。
この際、赤ちゃんがうまく巻き込めていない、または吸い込めていないように感じたら、赤ちゃんを抱いている方の腕で上下左右に微調整してあげましょう。
いつまであげていたらいいの?と思うかもしれません。
時間で言うと30分から40分くらいでしょうか。
個人差が大きいので、◎◎式…などを実践していない限りは、あまり気にしないで大丈夫です。
パンパンに張っていたおっぱいがすうっと減っていき、無くなったなと感じたら、そちら側は終わりです。
今度は同じように反対側をあげましょう。
赤ちゃんは満足すると飲むのをやめたり眠ってしまったりします。
そうなったら授乳は終わりです。
次は、後でゲップして吐き戻さないように、先にゲップを出させてあげましょう。
古典楽器の鼓をポンっと打つ時のように、赤ちゃんを肩のちょっと高めな位置にうつ伏せに乗せます。
ちょうど胃の辺りが肩に乗るイメージです。
そして背中を軽く下から上へポンポンポンっと叩いたりさすったりしてあげてください。
大きなゲップが出ると気持ちがいいですね。
仮に出なくても大丈夫!
起きていても寝ていても構いませんから、しばらくお座りの姿勢で抱っこしてあげましょう。
そのうち出てきます。
それでも出ない時は、空気を飲み込まず上手に飲めていたのかもしれません。
すごいね〜!と褒めてあげましょう。
そして、しばらく観察しながら過ごしてください。
もちろん、様々な理由で母乳を与えられない場合もあります。
そんな時は母乳こだわらず、すっきり次善の策へと気持ちを切り替えましょう!
母乳をあげることが良い母の証明なわけではありません。
方法ではなく、赤ちゃんを生かし、温かく健全に育てることが大事なのです。
くれぐれも、たった一つの選択肢に過ぎないことで、自信を失くしたりしませんように。